アイテムについて

大人気の切り絵アーティスト福井利佐の能シリーズの作品「殺生石」です。この話は栃木県那須町に伝わる九尾の狐にまつわる話です。那須野の原に不気味にそびえる巨石があり、その石の上空を飛ぶ鳥が次々と落ちてきます。それは、近づくものの命を奪う恐ろしい殺生石。もとは、鳥羽の院の時代に、寵愛を受けた宮廷女官の玉藻の怨念の仕業で、狐の化け物であることが見破られ、ついに那須野で討たれました。その怨念が殺生石になってしまったという物語です。そこへ、高僧である玄翁和尚が喝を入れて石を砕き、殺生石を鎮めました。作品では九尾の狐と言う化け物といえども、一度は寵愛を受けた玉藻ですので、ピンク色でちょっとポップな感じにしたそうです。 福井利佐 1975年静岡県出身。多摩美術大学グラフィックデザイン専攻卒業。精緻な観察による描写のきめ細やかさと大胆な構図で、観る者を圧倒させるような生命力のある線の世界を描き出す。中島美嘉のCDジャケットアートワーク、Reebokとのコラボレーションスニーカーやユニクロ「UT」への参加、直木賞作家の桐野夏生氏、木内昇氏の小説への挿画や装丁、NHK太宰治短編小説集「グッド・バイ」の映像制作、NHK 「猫のしっぽカエルの手」オープニングタイトル制作などがある。お能の宝生流家元主催の「和の会」メインビジュアル担当（2008~2018）。2019年は福音館書店月刊かがくのとも から絵本「むしたちのおとのせかい」を刊行。2022年「からまつ～ふじさんにもりをつくるき～」を刊行。その他、国内外の個展や合同展の参加、ワークショップなど多方面で活躍中