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アイテムについて
素晴らしい切り絵作品で知られる福井利佐の「能」シリーズ。この作品は「船弁慶」の演目に登場する平知盛を切り絵で表現した作品です。「船弁慶」では、源平合戦のエピソードの物語をベースに、源義経、静御前、弁慶と平家の亡霊、その中でも無念の想いで亡くなった平知盛が登場します。壇ノ浦で亡くなった知盛の亡霊なので、魚がいたり、まるで海藻のように絡みつく髪も、知盛の物語を知っている人にとっては、様々なことを連想するきっかになる作品となっています。能面は基本的には表情は変わらないのですが、力強い切り絵の線と色使いによって、豊かな感情や見る側の想いが伝わる作品です。宝生流二十世宗家「和の会」第4回目の演目作品です。2011年制作。 福井利佐 1975年静岡県出身。多摩美術大学グラフィックデザイン専攻卒業。精緻な観察による描写のきめ細やかさと大胆な構図で、観る者を圧倒させるような生命力のある線の世界を描き出す。中島美嘉のCDジャケットアートワーク、Reebokとのコラボレーションスニーカーやユニクロ「UT」への参加、直木賞作家の桐野夏生氏、木内昇氏の小説への挿画や装丁、NHK太宰治短編小説集「グッド・バイ」の映像制作、NHK 「猫のしっぽカエルの手」オープニングタイトル制作などがある。お能の宝生流家元主催の「和の会」メインビジュアル担当(2008~2018)。2019年は福音館書店月刊かがくのとも から絵本「むしたちのおとのせかい」を刊行。2022年「からまつ~ふじさんにもりをつくるき~」を刊行。その他、国内外の個展や合同展の参加、ワークショップなど多方面で活躍中。