アイテムについて

人形を使った人間劇を描くアーティストとして知られるMOYANの新作。これまでの作品の大きく違うのは、セカンドハンドの人形、つまり誰かが大切に遊んだ人形であることです。持ち主とたくさんの時間を共有した人形は、少し荒れていて、髪型も変化しています。MOYANは、これらのセカンドハンドの人形たちを「共犯者としての人形」と考えており、単なる遊び相手だけではなく、特定のイメージを無邪気に遊び相手に押し付けたり、子供の知っている両親の日頃の言葉遣いや関係性までを投影していることも含めて、面白さを絵画作品の中に、表現しています。人形を介在させることで、心の中をダイレクトに言葉に出来たり、いつもは言えない本音を語る装置が、人形なのかもしれません。 MOYAN 1991年生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修了。 リカちゃんやバービーなどの人形をモチーフにジェンダーや家族観等の問題を取り入れた人形による「人間劇」をテーマに絵画を描いている。